国民総幸福量(GNH)とは
GNHは、1970年代に第4代国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクが示したとされる考え方で、「国民総生産(GNP)よりも国民総幸福量のほうが大切だ」という言葉で知られています。2008年の憲法第9条には「国は、国民総幸福量の追求を可能にする条件の促進に努める」と定められています。
GNHには4つの柱があります(ブータン研究・GNH研究センター)。
- 良い統治
- 持続可能な社会経済の発展
- 文化の保存と振興
- 環境の保全

最終更新日: 2026-11-05 ・ 英語版で読む(English)
ブータンの幸福度を語るときに欠かせないのが、国民総幸福量(GNH:Gross National Happiness)という考え方です。経済成長(GDP)だけでなく、心の健康や文化、環境、良い統治をあわせて国の豊かさを考えるもので、2008年の憲法にも書き込まれています。このページでは、GNHの仕組みと、「世界一幸せな国」というイメージの実際をご紹介します。
GNHは、1970年代に第4代国王ジグミ・シンゲ・ワンチュクが示したとされる考え方で、「国民総生産(GNP)よりも国民総幸福量のほうが大切だ」という言葉で知られています。2008年の憲法第9条には「国は、国民総幸福量の追求を可能にする条件の促進に努める」と定められています。
GNHには4つの柱があります(ブータン研究・GNH研究センター)。
ブータンでは、GNHを数字で測るために、全国の世帯を対象にした調査を行っています。調査は9つの領域、33の指標から成ります。
| 領域 | 例 |
|---|---|
| 心理的な幸福 | 生活の満足度、感情、精神性 |
| 健康 | 自己評価による健康、障がい、心の健康 |
| 教育 | 識字、学歴、伝統的な知識 |
| 時間の使い方 | 労働時間、睡眠時間 |
| 文化の多様性と回復力 | 言語、工芸、伝統行事への参加 |
| 良い統治 | 政府への評価、権利、サービス |
| 地域の活力 | 寄付、地域のつながり、安全 |
| 生態系の多様性と回復力 | 環境への意識、自然災害 |
| 生活水準 | 収入、住まい、資産 |
一人ひとりについて、指標の66%以上で「十分」に達していれば「幸せ」と数えます。2022年の調査では、GNH指数は0.781で、2015年の0.756から上がりました。
よく「国民の93.6%が幸せ」と紹介されますが、これは「わずかに幸せ」(指標の50〜65.9%で十分)までを含めた数字です。正式な基準(66%以上)で「幸せ」とされたのは48.1%でした(「深く幸せ」9.5%、「広く幸せ」38.6%)。
当社のGNH計算ツール(英語)では、9つの領域で自分の「幸福度」を試すことができます。
国連の関連団体が毎年発表する「世界幸福度報告(World Happiness Report)」で、ブータンが初めて順位に載ったのは2015年版です。
| 版 | ブータンの順位 |
|---|---|
| 2015年版 | 79位(158か国中) |
| 2016年版 | 84位 |
| 2017年版 | 97位 |
| 2018年版 | 97位 |
| 2019年版 | 95位 |
2019年版を最後に、ブータンはランキングに掲載されていません。世界幸福度報告は「自分の人生を0〜10で評価するとどうか」という質問への答えを中心に順位をつけており、GNHとは測っているものが違います。「世界一幸せな国」というイメージは、ランキングの順位というより、GNHという国の考え方から生まれたものといえます。
当社の英語記事「Why Bhutan is the happiest country despite rankings」でも詳しく解説しています。
GNHは旅行の仕組みにも表れています。旅行者が支払うSDFは医療・教育・環境保全に使われ、観光客の数を抑えることで自然と文化を守っています。
旅をしていると、次のような場面にGNHの考え方を感じることができます。
一方で、ブータンにも若者の失業や都市への人口流出などの課題があります。「幸せの国」をそのまま理想郷と考えるのではなく、幸せを国の目標にしている国として見ると、旅がより深いものになるでしょう。見どころはブータン旅行ガイドをご覧ください。
経済成長よりも国民の幸福を重視する「国民総幸福量(GNH)」を国の目標に掲げ、憲法にも定めているためです。
世界幸福度報告での順位は2015年版の79位が最高で、2019年版(95位)を最後に掲載されていません。「世界一」はランキングの結果ではなく、GNHという考え方から生まれたイメージです。
心理的な幸福、健康、教育、時間の使い方、文化の多様性と回復力、良い統治、地域の活力、生態系の多様性と回復力、生活水準の9つです。
2022年のGNH調査では、正式な基準で「幸せ」とされたのは48.1%でした。「わずかに幸せ」を含めると93.6%になります。
はい。伝統的な建物や民族衣装、豊かな森、寺院での祈りの風景など、GNHの考え方は旅のあちこちで見ることができます。
ご希望の時期やご興味をお知らせください。旅程をご提案します。現地スタッフとのやり取りは主に英語になります。
お問い合わせ