タクツァン僧院の歴史と伝説
ブータンの言い伝えによると、8世紀、ヒマラヤに密教を伝えたとされるグル・リンポチェ(パドマサンバヴァ)が、雌の虎の背に乗ってこの崖に飛来し、洞窟で瞑想して、仏教の広まりを妨げていた魔物を鎮めたといわれています。「タクツァン」は「虎の住みか」という意味です。
現在の僧院が建てられたのは1692年で、当時の摂政ギャルセ・テンジン・ラプゲの時代です。1998年4月19日に火災で本堂が焼失しましたが、政府と第4代国王の支援で再建され、2005年に修復が完了しました。今も信仰の場で、巡礼者や僧侶もこの道を歩いています。
登山口への行き方
タクツァン僧院はパロの町から北へ約10kmのところにあり、登山口のラムタンカの駐車場までは、パロのホテルから車で15〜20分ほどです。ティンプーから向かう場合は片道1時間半ほどかかるため、前日はパロに泊まるのが一般的です。
外国人旅行者はガイドと専用車で移動するため、公共交通機関を使うことはありません。パロ国際空港への到着日ではなく、高地に体が慣れた旅の後半に登るのがおすすめです。日本からのルートはブータンへの行き方をご覧ください。
登山ルートと所要時間
駐車場からカフェテリアまで
前半は、祈祷旗がかかる松林の中の広い道を登ります。急な場所には丸太や石の階段があります。中間地点のカフェテリアまでは1〜1.5時間ほどです。
カフェテリア(中間地点)
渓谷をはさんで僧院を正面に望む展望所にあるカフェテリアで、お茶やお菓子、ビュッフェの昼食、トイレがあります。ここから見る僧院の眺めはとても美しく、ここで引き返す人もいます。
カフェテリアから僧院まで
さらに登って僧院と同じ高さの展望所に出たあと、長い石段で谷を下り、高さ約60mの滝のそばの橋を渡って、反対側の石段を登ると僧院の入口です。帰りは谷から再び石段を登るので、体力を残しておきましょう。
難易度
道はよく整備されていて、岩をよじ登るような場所はありませんが、高地での登りが続くため息が切れやすくなります。2時間ほど休みながら登り坂を歩ける方なら、自分のペースで登れます。下りではトレッキングポールがあると楽です。
入場料・ガイド・服装と撮影のルール
入場料
外国人旅行者の入場料は、大人1,000ニュルタム、子ども500ニュルタムです(BBS、2026年5月)。SDF(1泊100米ドル)とは別の料金です。当社のツアーでは入場料は料金に含まれ、ガイドがチケットを用意します。
公認ガイド
タクツァン僧院のための特別な許可証はありませんが、外国人旅行者は公認ガイドの同行が必要です。ブータン観光局の2026年4月の通知でも、寺院や史跡の見学にガイドが必要だと明記されています。2023年6月からは、史跡は毎日見学できるようになりました。
服装
- 長袖と長ズボン(またはロングスカート)を着用する
- 中では帽子とサングラスを外し、お堂の前で靴を脱ぐ
- 仏堂や仏塔の周りは時計回りに歩く
撮影
僧院の中は撮影禁止です。カメラ、スマートフォン、荷物は入口で預けます。道中や展望所からの撮影は問題ありません。
服装の決まりはブータンの民族衣装のページでも詳しくご紹介しています。
中に入れる?僧院の中の様子
はい、ガイドと一緒であれば開館時間中に中に入ることができます。入口で荷物を預けたあと、崖のいくつもの段に建つお堂を、階段や小さな中庭を通って順番に巡ります。お堂は、グル・リンポチェが瞑想したと伝わる洞窟を中心に建てられています。
お堂の中はバターランプの灯りでほの暗く、壁にはグル・リンポチェのさまざまな姿が描かれています。見学時間は30分〜1時間ほどです。
馬の利用・ベストシーズン・持ち物
馬で登れる?
駐車場から中間地点のカフェテリアまでは馬に乗って登れます。その先は道が急なため、全員歩きます。2023年4月から、馬は事前予約制になりました(ブータン観光局)。料金は変わることがあるため、前日にガイドに予約と料金の確認を頼みましょう。
ベストシーズンと時間帯
3〜5月と9〜11月が最も歩きやすい季節です。冬は寒いものの晴れて人が少なく、道は一年中開いています。朝7時〜8時半ごろに出発すると、涼しく混雑も少なくなります。季節の特徴はブータンの気候とベストシーズンへ。
持ち物
- 滑りにくい歩きやすい靴
- トレッキングポール
- 水(1〜1.5リットル)
- 重ね着できる上着と雨具
- 日焼け止め、サングラス、帽子
- 僧院に入るための長袖・長ズボン
- 少しの現金(カフェテリア用)
タクツァン僧院を含むツアーはブータンツアーでご紹介しています。英語版の詳しいガイドもあります。