男性のゴと女性のキラ
ゴ(Gho) は男性の民族衣装で、膝丈の着物のような長衣です。腰の帯(ケラ)できつく締め、胸元にできるふくらみはポケットのように使われます。袖口からは内側に着た白いシャツの折り返しを見せて着ます。
キラ(Kira) は女性の民族衣装で、足首まである一枚の布を体に巻き、肩をブローチ(コマ)で留め、腰を帯で締めます。上にはテゴと呼ばれる短い上着を、下にはウォンジュというブラウスを着ます。
ゴもキラも、手織りの布で作られるものは柄や色がとても豊かです。下のエクスプローラー(英語)では、実際の写真から5つのキラの柄を読み解くことができます。
いつ着るの?ドリグラム・ナムザとの関係
ブータンには「ドリグラム・ナムザ」と呼ばれる礼儀作法の決まりがあり、17世紀にさかのぼるとされます。1989年からは、勤務時間中の公共の場で民族衣装を着ることが義務とされました。役所や学校で働く人、公式の場に出る人は、ゴやキラを着用します。ゾンや寺院を訪れるときも民族衣装が基本です。
一方で、町なかではジーンズやTシャツ姿の若者も見かけます。仕事の日はゴとキラ、休日は洋服という人も多くいます。
スカーフ「カムニ」と「ラチュ」の色の意味
ゾンや役所に入るとき、男性はゴの上にカムニ(Kabney)という長いスカーフを、女性はラチュ(Rachu)という細い布を肩にかけます。カムニは色で身分を表します。
| カムニの色 | 身につける人 |
|---|
| 黄色(サフラン) | 国王と大僧正(ジェ・ケンポ) |
| オレンジ | 大臣 |
| 赤 | ダショー(高位の称号を持つ人) |
| 緑 | 裁判官 |
| 青 | 国会議員 |
| 赤い縞の入った白 | 村長(ガップ) |
| 白 | 一般の人 |
赤いカムニは国王から「ダショー」の称号を受けた人だけが身につけられます。外国人として唯一この称号を受けたのが、農業指導者の西岡京治さんです。
詳しくは英語のカムニとラチュのガイドもご覧ください。
旅行者の服装マナー
旅行者が民族衣装を着る義務はありません。ただし、ブータン観光局は寺院を訪れる際、長袖を着て脚を覆うこと、靴と帽子を脱ぐことを求めています。
- ゾンや寺院では、長袖と長ズボン(またはロングスカート)を着用する
- ショートパンツ、ノースリーブ、短いスカートは避ける
- 建物の中では帽子とサングラスを外し、指示があれば靴を脱ぐ
- 寺院の中は撮影禁止の場所が多いので、ガイドの指示に従う
タクツァン僧院のハイキングでも、僧院に入る前に長袖・長ズボンを用意しておきましょう。
旅行者もゴやキラを着られる?
旅行者がゴやキラを着ることについて、公式な決まりはありません。ティンプーやパロの店では、既製のゴやキラ、帯、テゴなどを買うことができ、着付けはガイドやホテルのスタッフが手伝ってくれることもあります。お祭り(ツェチュ)の日に民族衣装を着ると、地元の人たちとの会話のきっかけにもなります。
手織りの高級なキラは、柄や素材によって値段が大きく変わります。ティンプーの王立テキスタイル・アカデミーでは、伝統的な織物の展示を見ることができます。旅の計画はブータン旅行ガイドをご覧ください。